現所有者も土地改変か 熱海盛り土で静岡県

静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流の起点付近(中央)。土砂は写真の上方向に向かって流れた=3日(共同通信社ヘリから)
静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流の起点付近(中央)。土砂は写真の上方向に向かって流れた=3日(共同通信社ヘリから)

静岡県熱海市伊豆山(いずさん)地区で起きた土石流の起点付近に大量の盛り土があった問題で、土地が盛り土工事を届け出た会社から現在の所有者に移った平成23年2月以降にも、何らかの土地改変工事が行われていたとみられることが14日、県の調査で分かった。市の指導で現所有者側が行ったとの情報もあり、県の難波喬司(なんば・たかし)副知事は「根治療法をしないとだめだったのに、対症療法で表面だけ直したというのが実態ではないか」と分析。届け出を超える違法な盛り土が長年見過ごされた可能性が出てきた。

難波氏は「(盛り土の)チェックシステム全体の問題ではないかとみている。約10年前のことで、全体として何があったのか詳しく調べる」としている。

盛り土自体は、土地を18年に取得した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)が静岡県の条例に基づき19年、熱海市に高さ15メートルで約3・6万立方メートルを盛る計画を届け出た。だが同社が所有中の23年1月には、35メートル以上の規模になっていたことが県の調査で判明している。

土地は同年2月、周辺の土地も所有する現所有者の個人に移った。現所有者の代理人弁護士は「盛り土をした事実はない」と否定しているとされる。

県は、土石流の発生原因と、盛り土をめぐる熱海市や県の行政対応の是非を検証する、2つのチームを設置。チームを統括する難波氏は、県の条例の上位法令である森林法について、一般論として違反が起きた際に「止めるというより、なるべく許可が出るよう(是正を)指導する構造になっている」と指摘。法律も含む規制システム全体を検証したい考えを示した。

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