スー・チー氏、4件の汚職罪で訴追、ミャンマー国軍、次期総選挙出馬阻む狙い

アウン・サン・スー・チー氏(ロイター)
アウン・サン・スー・チー氏(ロイター)

【シンガポール=森浩】ミャンマー国軍による今年2月のクーデターで拘束されたアウン・サン・スー・チー氏の弁護士は12日、スー・チー氏が新たに4件の汚職罪で訴追されたことを明らかにした。訴追内容の詳細は不明だが、勾留が長期化することは確実だ。国軍側には非常事態宣言終了後に実施を約束している総選挙で、スー・チー氏の立候補を阻む狙いがある。

スー・チー氏はこれまでに不正に現金や金塊を受け取った別の汚職罪や、無線機を違法に入手した罪などで訴追されている。汚職罪は有罪となれば最大で15年の禁錮刑が科される。一部の罪については8月中にも判決が出る見通し。だが新たな訴追によって公判は長期化する可能性が高い。

国軍側は12日の記者会見で、スー・チー氏の率いる国民民主連盟(NLD)が大勝した昨年11月の総選挙で、有権者名簿に選挙権がない市民が登録されているといった不正が約1130万件あったと発表した。

その上で、「NLDは通常とは異なる方法で権力を勝ち取ろうとした」などと批判し、クーデターによる政権奪取を正当化した。

国軍はクーデターと同時に期間を1年とする非常事態を宣言。終了後に総選挙を実施し、勝利した政党に政権を移譲する方針を示している。ただ、ミン・アウン・フライン総司令官は6月、ロシアメディアの取材に対し、総選挙は手続きなどに「2年ほどかかる」との見通しを示している。実施時期はなお不透明だ。