映画「ほうきに願いを」18日に宇都宮で公開 栃木県鹿沼市の店主が原案

鹿沼箒を手にする鈴木隆さん=鹿沼市仲町
鹿沼箒を手にする鈴木隆さん=鹿沼市仲町

栃木県鹿沼市のほうき・雑貨販売店主、鈴木隆さん(68)が原案を手掛けた映画「ほうきに願いを」が18日、宇都宮市の映画館「MOVIX宇都宮」で一日限定で公開される。

とちぎの伝統工芸品「鹿沼箒(ほうき)」の継承に努めてきた鈴木さん自身がモデルで、東日本大震災の影響で鹿沼市に移り住んできた母子家庭を支援した際のエピソードを盛り込んだフィクション。栃木県出身の女優、岩瀬晶子さん、和泉詩さんらが出演したほか鹿沼市民も参加し、県民になじみ深い作品となっている。

鈴木さんは、江戸時代から伝わる鹿沼箒を受け継いできた「大坂屋」の第15代店主でミニほうき手作り教室など鹿沼箒の継承に努めてきた。だが約4年前に前立腺がんを患ったことで、これまでの人生を記録として残したいと夢だった映画制作を決意。映画のワークショップで知り合った監督の五藤利弘さんに構想を売り込んだ。

同作品は、震災で心の傷を負った母子家庭の女子中学生と、その中学生を気遣うほうき職人と娘との日常のふれあいがつづられている。作品中では、ほうき職人が柄とほうきの接合部分が蛤(はまぐり)型をしているなど、鹿沼箒の特徴について説明する場面もある。

今年5月から鹿沼市や東京都内、横浜市でも上映されている。鈴木さんは「2人の少女の抱えるやりきれない心の葛藤と、すれ違う家族のきずなを描いた。後継者がいなくなっている鹿沼箒についても知ってもらいたい」と話している。

18日は午前9時20分からと午前11時45分からの2回上映する。(鈴木正行)