日本、南シナ海で訓練強化 米・沿岸国と協力

茂木敏充外務相(春名中撮影)
茂木敏充外務相(春名中撮影)

茂木敏充外相は12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が2016年7月に南シナ海のほぼ全域に主権を有するとの中国の主張を退けてから5年がたったことを受けて発表した談話で、中国の対応について「力や威圧による一方的な現状変更の試みへの強い反対」を重ねて表明した。

南シナ海で起きていることは日本にとって「対岸の火事」ではない。中国の力による現状変更の試みは東シナ海でも強まっており、12日も海警局船が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域で航行しているのが確認された。連続航行日数は150日となり、過去最長の更新を続けている。

日本政府は危機感を共有する米国や南シナ海の沿岸国との安全保障協力を推し進め、中国の海洋進出を押しとどめたい考えだ。

海上自衛隊は2018年以降、インド太平洋方面派遣訓練を継続して実施しており、南シナ海でプレゼンス(存在感)を示している。昨年は派遣期間中に南シナ海でヘリコプター搭載護衛艦「かが」と米海軍駆逐艦「ジョン・S・マケイン」などが共同訓練を行い、かがを含む海自の3隻はベトナムのカムランに寄港し、補給した。

訓練以外にも、防衛装備品の移転を通じた沿岸国との関係強化を急いでいる。

3月にはインドネシアとの間で防衛装備品・技術移転協定が署名に至り、フィリピン、マレーシアとの間ではすでに同協定は発効。ベトナムとの同協定も実質合意に至っており、協力の枠組みは整いつつある。ただ、これまでに契約が成立したのがフィリピン向け防空レーダーのみで、実績づくりが課題となっている。(大橋拓史)