【イマドキTV+】学園ドラマの王道に通じる「ひきこもり先生」 - 産経ニュース

メインコンテンツ

イマドキTV+

学園ドラマの王道に通じる「ひきこもり先生」

最初にタイトルをみて、いやいやいやさすがに無理でしょ、とツッコんだ。「ひきこもり先生」(NHK総合、土曜夜9時)。元暴走族とか、極道とか、らしくない教師を登場させるのは学園ドラマの王道。だけど、ひきこもりが先生って。流行(はや)りのリモート授業? まさかね。

全5回。どう成立させるのかという興味から見はじめた。上嶋陽平(佐藤二朗)は11年間のひきこもり生活をなんとか脱して焼き鳥屋をやっているが、他人とうまく話せない。

店には「話しかけないで」と張り紙がしてあって、客は紙で注文。しかも焼き鳥はあまりおいしくなさそう。この、人付き合いが下手で、会話もたどたどしい、そんな主人公の魅力にハマって、毎週欠かさず見るように。

ある少女とかかわったことから、不登校の生徒たちを集めた支援学級「STEPルーム」の非常勤講師を引き受けてしまった上嶋。学校に行けない子供たちにはそれぞれ事情があって、どれも簡単に解決できたりはしない。自分なりに寄り添おうとするのだが、ひきこもり体質は変えられず…。

教室というと、黒板を背にした一人の先生と、等間隔に机を並べた子供たちが「1対多数」で向き合う場面を思い浮かべるかもしれない。でも上嶋は先生っぽくない。

STEPルームの空いている机のひとつに背中を丸めた彼が座って、子供たちと一緒に別の教員の話を聞くという場面などに、そのキャラクターがあらわれる。「苦しかったら、学校なんて来なくていい」と言っちゃったりもする。大人だって悩んだり苦しんだりしている、という立ち位置にしみじみ共感。

スマートで社交的で、どんな仕事もそつなくこなす大人。文武両道で宿題もユーモアも忘れず、友達がたくさんいる子供。世の中そんなヤツばかりじゃない。不器用で「社会のルール」に合わせられなくたって、いいじゃないの。やっぱりヤンキー先生とかに通じるのかも。本日(10日)の最終回は楽しみだけど、終わるのが残念。(ライター 篠原知存)