「唐人街探偵 東京MISSION」撮影で見せた中国パワー

映画「唐人街探偵 東京MISSION」場面写真(C)WANDA MEDIA CO.,LTD. AS ONE PICTURES(BEIJING)CO.,LTD.CHINA FILM CO.,LTD “DETECTIVE CHINATOWN3”
映画「唐人街探偵 東京MISSION」場面写真(C)WANDA MEDIA CO.,LTD. AS ONE PICTURES(BEIJING)CO.,LTD.CHINA FILM CO.,LTD “DETECTIVE CHINATOWN3”

中国の「唐人街(とうじんがい)探偵」の3作目「東京MISSION(ミッション)」が、シリーズで初めて日本で上映される。東京などの見慣れた風景の中で、見たこともない大規模、大迫力のアクションを繰り広げて驚かされる。合作ではないが、日本人スタッフも深く関わった。(石井健)

中国では春節の2月に公開され、最初の週末の興行成績で、あの「アベンジャーズ/エンドゲーム」の記録を破った。中国の映画市場の巨大さを見せつける。興行収入は750億円を超え、今年の映画では世界2位。1位も中国映画。ハリウッド映画は「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」がやっと3位に顔を出す。

「唐人街探偵」は、中国人の叔父とおいの探偵コンビが主人公のアクションコメディー。笑いのツボは日本人とは異なるが、「東京MISSION」では、ともかく渋谷や秋葉原で見せる派手なアクションに度肝を抜かれる。また、最後にコロナ禍以前の日本を思い出させる美しい映像が続く。

監督は俳優から転じたチェン・スーチェン(43)。脚本も手がける。妻夫木(つまぶき)聡(40)が前作から日本人探偵として登場しており、今作はさらに長澤まさみ(34)、三浦友和(69)、浅野忠信(47)、鈴木保奈美(54)ら日本を代表する俳優陣が顔をそろえる。タイからトニー・ジャー(45)も出演している。

日本での撮影は令和元年に、大ヒットアニメーション映画「天気の子」を手がけた企画制作会社、ストーリー(東京都千代田区)が協力していた。

「『唐人街探偵』のアニメ化について協議をしていた縁で、手伝ってほしいと頼まれました。日本人スタッフがいないと日本での撮影は無理ですから」と社長の古澤佳寛(よしひろ)(43)が説明する。

古澤は各種交渉にあたるなど全面協力。道路での撮影などに制約が多い日本の事情が理解されず、苦労もした。金を使え、政治家にあいさつに行け。中国流の指示に閉口したこともある。

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