異なる時期の地図データ比較で調査対象の盛り土抽出 全国総点検

国土交通省=東京都千代田区(鴨川一也撮影)
国土交通省=東京都千代田区(鴨川一也撮影)

静岡県熱海市で発生した土石流災害を受け、全国にある盛り土造成地の総点検を行う予定の国土交通省は9日、国土地理院が作成時期の異なるデジタル地図を比較し、標高が5メートル以上高くなっている箇所を調査の検討対象として抽出することを発表した。抽出作業は約1カ月間とし、関係省庁と連携して調査が必要な危険箇所を絞り込む方針。

国交省によると、平成12年ごろまでにデータ化された地形図と、20年以降に作成されたデジタル地図を活用し、標高データを比較することで盛り土の可能性がある箇所を抽出する。

12年ごろまでのデジタル地図は技術が古く、標高の誤差が5メートル以内と精度が低い。そのため、今回の抽出対象箇所は標高差プラス5メートル以上を対象とした。

一方、最新技術を使った20年以降の地図は誤差30センチ以内だが、整備済み対象が国土の約7割にとどまっている。ただ、担当者は「残り3割の土地は主に急峻(きゅうしゅん)な山間部など」とした。

抽出データは関係省庁や自治体に提供される。森林や宅地など造成目的は問わず抽出されるため、実際の調査では宅地のように法律の規制対象となっていない箇所に絞り込んで行われるとみられる。

赤羽一嘉国土交通相は9日の閣議後記者会見で「法律の網にかかっていない盛り土もあるので、関係省庁と連携し、政府としてどう対応していくのか検討しないといけない」と述べた。