スクールバス全国展開へ 児童死傷事故 首相検討

記者団の取材に応じる菅義偉首相=9日午前、首相官邸(春名中撮影)
記者団の取材に応じる菅義偉首相=9日午前、首相官邸(春名中撮影)

千葉県八街(やちまた)市で児童5人が死傷した交通事故を受け、菅義偉首相は9日、全国で子供の登下校時のスクールバスの利用を促す考えを示した。自民党では有志議員が5月に勉強会を立ち上げ、次期衆院選の公約に盛り込むことも視野に入れ議論を始めていた。今後、党内議論が進めば、首相が創設に意欲を示す「こども庁」の目玉政策となる可能性もある。

首相は9日、首相官邸で八街市の北村新司市長と面会し、「スクールバスのこともこれから国として考えなければいけない」と述べた。北村氏が記者団に明らかにした。

自民では、有志による公立小学校へのスクールバス制度導入に関する勉強会(会長・猪口邦子元少子化担当相)が5月以降、関係省庁などからのヒアリングを重ねてきた。八街市での事故を受け、7日には通学時の安全安心を求める緊急決議書を棚橋泰文国家公安委員長に手渡した。

勉強会によると、多くの先進国ではスクールバスが導入されているが、国内の公立小学校での利用は約16%にとどまっている。導入に向けては、文部科学省や国土交通省など所管する省庁が多岐にわたることや、導入に向けた費用の問題など課題は山積している。

しかし、首相の鶴の一声により、導入に向けた議論は加速しそうだ。自民ベテラン議員は「首相が言及したことにより、政府もスクールバス関連の予算をつけざるを得ないだろう」と期待を込めた。

首相は1日、八街市の現場を訪れて献花するなど、複数の子供が犠牲になった今回の事故を深刻に受け止めている。事故後、首相は党幹部に電話し、「自分の孫が同じような思いをしたら、いてもたってもいられない」と語ったという。(今仲信博)