米マンション崩落2週間 死者不明140人、原因特定進まず

5日、米フロリダ州サーフサイドのマンション崩落現場で、捜索活動を行う救助隊員ら(マイアミデード消防提供・ロイター=共同)
5日、米フロリダ州サーフサイドのマンション崩落現場で、捜索活動を行う救助隊員ら(マイアミデード消防提供・ロイター=共同)

【ワシントン=大内清】米南部フロリダ州サーフサイドで起きたマンション崩落事故から8日で2週間が過ぎた。AP通信によると、これまでに64人の死亡が確認され、76人が消息不明のままとなっている。二次被害を防ぐために崩落を免れた部分が解体されたこともあって原因の特定は難航。がれきの下から遺体を収容する作業も困難を極めている。

6月24日未明に起きた事故では、12階建てマンションの東側部分が崩落した。米メディアは考えられる原因を3つ挙げており、それらが複合した可能性も取り沙汰されている。

米紙ニューヨーク・タイムズは、事故調査にあたる設計士らの話として、地下駐車場と地上部分をつなぐ鉄筋の量が設計図よりも少なかった可能性があると伝えた。上部階が崩落する寸前に駐車場が押しつぶされたとの証言もあった。

ただ、工事を請け負った企業はすでに廃業し創業者も死亡しているといい、「手抜き工事」だったかどうかや刑事責任の有無の判断には時間を要しそうだ。

地盤に問題があったとの見方もある。崩落したマンションは1981年、保養地として知られるマイアミに近接する海岸沿いに建てられた。一帯はもともと湿地で、開発の過程で干拓や埋め立てが進み市街地化した経緯がある。

米紙USAトゥデーなどによると、地元フロリダ国際大のウドウィンスキ教授は昨年、地球温暖化による海面上昇などを調べるために一帯の地質データを分析。その結果、マンション付近の地盤は90年代以降、年間1・9ミリのペースで沈下していることが判明したという。同教授は6月下旬に公開した動画で、「地盤沈下としては小規模」であることから崩落の引き金になったかは判断できないとし、今回の事故は「不幸なことだった」と述べた。

一方、建設から40年にわたって潮風にさらされたことや、フロリダ州で頻発するハリケーンや高潮などによって建物が脆弱(ぜいじゃく)化していた可能性も高い。

事故の約3年前にはマンションの管理組合が、建物の安全評価を行うコンサルタント会社から、コンクリートにひびが入るなど老朽化が著しいので「メンテナンスが必要」との警告を受けていた。崩落は、住居としての使用を継続するために安全性の審査手続きが進んでいた中で起きた。

マイアミは国際都市としても知られ、崩落したマンションの所有者には中南米出身者らも多い。捜索作業にはメキシコのレスキューチームなども参加。行政当局は今月4日、大西洋で発生した熱帯低気圧などの影響で崩落が進む恐れがあるとし、建物西側も爆薬で解体した。