浪速風

「松坂世代」と呼ばれる理由

第80回全国高校野球選手権準決勝。高知・明徳義塾戦で力投する横浜の松坂大輔=平成10年8月
第80回全国高校野球選手権準決勝。高知・明徳義塾戦で力投する横浜の松坂大輔=平成10年8月

味方の攻撃中に、次のイニングで登板する投手がベンチ前でキャッチボールを行う。いわゆる「肩慣らし」。見たことがある人は多いだろう。実は日本球界独特の習慣で、大学野球や社会人野球では、国際基準にならって禁止となっている

▶引退を表明した西武の松坂大輔は「肩慣らし」だけで試合の流れを変えたことがある。平成10年の全国高校野球選手権大会。準決勝で、松坂の横浜(神奈川)は明徳義塾(高知)と対戦した。八回表を終えて0―6。前日の準々決勝で延長十七回を完投した松坂は「投げない」と明言し、左翼で出場していた

▶ところが、八回裏の味方の攻撃中に右肘のテーピングをはがした松坂は「肩慣らし」を始めた。すると、雰囲気が一変。横浜は八回に4点をかえすと、松坂登板後の九回にも3点を奪ってサヨナラ勝ちを収めた。同年代から多くの名選手が誕生した。だが、存在感は松坂がピカイチ。やはり「松坂世代」と呼ぶのがふさわしい。