中国、預金準備率引き下げ 原料価格高騰で零細企業下支え

中国人民銀行=北京(共同)
中国人民銀行=北京(共同)

【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は9日、金融機関から預金の一定割合を強制的にあずかる「預金準備率」を0・5%引き下げると発表した。国際的な原材料価格高騰の影響を受ける小規模・零細企業の資金繰りを支える。

人民銀の発表によると、引き下げは15日に実施する。習近平政権は、原材料価格高騰が新型コロナウイルス禍からの景気回復に水をさすことを警戒。7日に李克強首相が主宰した国務院(政府)常務会議で、追加の金融緩和策を検討していると表明していた。

国家統計局が9日発表した6月の工業品卸売物価指数(PPI)は前年同月比8・8%上昇した。上昇率は12年8カ月ぶりの高水準を記録した5月(9・0%)から0・2ポイント下がって9カ月ぶりに減速したものの、原材料価格高騰の影響で依然高止まりしている。

内訳では石油・天然ガス採掘業が53・6%上昇するなど、エネルギー関連や金属加工の伸びが目立つ。企業の原材料の仕入れコストが増している。中国政府は、買い占めや価格操作を行わないよう大手企業や業界団体を5月下旬に指導するなど、価格高騰に神経をとがらせる。統計局は「価格安定の政策効果が出始めた」との見方を示す。

統計局が9日に発表した6月の消費者物価指数(CPI)は1・1%上昇し、4カ月連続のプラスだった。上昇率は5月から0・2ポイント縮小した。中国人の食卓に欠かせない豚肉が36・5%下落したことが影響したものの、生産コストの上昇を受けた最終製品への価格転嫁が進んでいないとみられる。