東京五輪「無観客」海外にも衝撃 「納税者に深刻打撃」「秋の総選挙を考慮」

「局所を犠牲」


中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は9日の記者会見で「中国は、日本が東京五輪を順調に開催することを支持する」と述べた。来年2~3月の北京冬季五輪・パラリンピックを控え、東京五輪が円滑に行われるかどうか注視しているとみられる。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は9日付で、1都3県の競技会場を無観客とすることが決まったと詳報。「世界の感染状況が引き続きエスカレートする中、選手の生活と健康をどう守るかが難題となっている」と指摘した。

中国紙、新民晩報(電子版)は無観客開催について「五輪の100年以上の歴史で初めてのことだ」と強調。東京で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることなどを挙げ、日本の決定について「疑いなく局部を犠牲にして大局を守る選択だ」との見方を示した。

中国の短文投稿サイト「微博」では「安全第一だ」「選手を守る措置をしっかりとやるべきだ」「最も良い方法だ」などと無観客開催の判断を評価する意見が見られた。


「旭日旗が消え朗報」


韓国の聯合ニュースは無観客開催により「日本選手に有利な雰囲気が完全に失われる」と分析。野球やサッカー、女子バレーボールといった日韓対決が予想される種目について「韓国代表は会場の雰囲気に惑わされることなく、競技に集中できる」と伝えた。さらに、「日本の覇権主義の象徴である旭日旗が観客席から姿を消すのも朗報だ」と強調した。

聯合はまた、日本政府が「有観客」の方針を転換した背景について、東京都議選で自民党の獲得議席が当初の目標を下回った点を指摘。「菅義偉(すがよしひで)首相は秋に予定される総選挙への影響を考慮し、世論が望む無観客開催に変更した」と分析した。(ニューヨーク 平田雄介、パリ 三井美奈、北京 三塚聖平、ソウル 時吉達也)