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視覚障害者のおしゃれ支援 人の目通じ、自分が見える

きれいな石でデコレーションした白杖を手にポートレート撮影。撮影会は日本視覚障がい者美容協会の人気イベントだという
きれいな石でデコレーションした白杖を手にポートレート撮影。撮影会は日本視覚障がい者美容協会の人気イベントだという

眉はうまく描けているか、服装や靴が場違いではないか-。視覚に障害のある人は、身だしなみに不安を覚えることがあるという。そんな不安の解消や、おしゃれを楽しむ手助けをする取り組みが今、広がりつつある。(津川綾子)

「指をそろえ、人さし指の側面をほうれい線にあててください。それから…」

資生堂ジャパン(東京)のビューティーセラピスト、清藤有美子さんが画面越しに女性3人に呼び掛ける。指示通りに手を動かし、肌の手入れをする女性たちに、清藤さんは「そうです」と声をかけ、動作が合っていることを伝えた。

これは6月24日、同社が開いたオンラインの美容セミナー。参加者は岐阜、兵庫、埼玉に暮らす視覚障害のある女性たちだ。

同社は令和元年から、視覚に障害がある人向けに開発した化粧法「ガイドメイク」のセミナーを対面開催してきたが、コロナ禍で中断。代わりに6月から、スキンケアを中心とするオンラインセミナーを始めた。

「ファンデーションがまだらになるのが怖くて、粉おしろいにしている」

こんな悩みを抱える参加者に、清藤さんは、口や目の周りにパフでなでるようにファンデーションをつける方法を伝えた。参加者の金井光子さんは「全盲になって以来使っていない」というファンデーションを「もう一度使おうかな」と意欲を見せた。

■おしゃれにつまずく

最近は視覚に障害のある人の美容やおしゃれを支援する組織も出てきた。

「白地にとても細いストライプのシャツ。襟もついていて、長袖ですが、袖を肘までめくり上げて…」

ファッション誌を開き、着こなしや服の特徴を読み上げるのは、埼玉県上尾市のネイリスト、佐藤優子さんだ。令和元年に「日本視覚障がい者美容協会(JBB)」を設立、代表理事を務める。「音で読めるファッション雑誌」を音声配信メディア「Voicy(ボイシー)」(東京)で毎日、配信する。

JBB創設のきっかけは、介護施設で視力の落ちた高齢者のネイルケアをしながら、「目が見えない人もおしゃれをしたいはず」と気づいたことだった。

視覚障害のある若い女性たちに会い、「ネイルケアはどうしているの」「髪のセットは」などと聞いてみると、あらゆる場面でおしゃれにつまずいていることが分かった。