【主張】大和堆で露が演習 許しがたい軍事的挑発だ - 産経ニュース

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大和堆で露が演習 許しがたい軍事的挑発だ

ロシアが、7日から9日に日本の排他的経済水域(EEZ)にある好漁場「大和堆(たい)」を含む日本海で、海軍のミサイル発射訓練を行うと通告してきた。海上保安庁は航行警報を発した。

旧ソ連・露海軍が日本海での演習でミサイルを発射するのは、冷戦期から最近までほぼないと言っていいほど珍しい。そのうえ日本のEEZでの実施を指定してきた。プーチン政権の悪質な対日挑発であり、到底容認できない。直ちに演習を中止すべきだ。

防衛省は6日、ミサイル巡洋艦1隻、駆逐艦2隻、ミサイル観測支援艦1隻など計7隻の露艦隊が4日に沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を北上し、その後、対馬海峡を通って日本海へ向かったと発表した。この艦隊が大和堆付近で演習を行う可能性がある。

領海ではないが、日本のEEZでは日本だけが水産資源など経済権益を管理する権利を持つ。有数の漁場である大和堆はスルメイカの漁期を迎えている。大和堆では近年、北朝鮮や中国の漁船群が日本の許しを得ずに押し寄せ水産資源を強奪してきた。日本の漁業者にとって露海軍の演習は中朝漁船の泥棒行為に続く打撃となる。

加藤勝信官房長官は6日の記者会見で「日本の船舶の安全、漁業への悪影響の排除と、沿岸国である日本の権利、義務に妥当な配慮を払うよう、ロシア側に申し入れた」と語った。言葉に力強さが感じられない。もっと明確にロシア側の非を鳴らし、不当な演習の中止を求めるべきだ。

露海軍が対艦ミサイルなどを実際に発射すれば、有事の際の手の内をさらけだすことになる。自衛隊には防衛上、貴重なデータをきちんと収集してもらいたい。

露軍は他でも軍事活動を活発化させている。2月には不法占拠している北方領土で、無人機「ドローン」の運用や電波妨害で敵を無力化する電子戦の演習を行った。6月には北方領土や樺太(サハリン)で1万人以上が参加する大規模演習を実施した。その際、北方領土で爆撃を行うと日本に通告してきた。同じ月には太平洋で海軍約20隻が演習を行った。

岸信夫防衛相が6月30日、視察先の北海道・陸上自衛隊東千歳駐屯地での訓示で、北の守りの重要性を強調したのは当然だ。中露両軍は共同訓練を進めてもいる。対露警戒は怠れない。