【シンガポール=森浩】インドのモディ首相は6日、同日に86歳の誕生日を迎えたチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世を祝う異例のメッセージを公開した。モディ氏は、ダライ・ラマを「分離主義者」と非難する中国に配慮し、チベット亡命政府などと一定の距離を保ってきたが方針を転換させた。インド北部の係争地をめぐる中印対立が深まる中、中国を牽制(けんせい)する意図がありそうだ。
モディ氏は6日、ツイッターに「ダライ・ラマ法王の86歳の誕生日に電話であいさつした。健康と長寿を願っている」と投稿した。インドメディアによると、モディ氏とダライ・ラマの接触が公になったのは「数年ぶり」。英字紙タイムズ・オブ・インディアは専門家の発言として「インド首相がダライ・ラマの誕生日に会話し、それを公表したのは初めて」と報じた。