【話の肖像画】デザイナー・コシノジュンコ(81)(8)魂こめた作品で「装苑賞」(1/2ページ) - 産経ニュース

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話の肖像画

デザイナー・コシノジュンコ(81)(8)魂こめた作品で「装苑賞」

史上最年少で装苑賞を受賞したコート
史上最年少で装苑賞を受賞したコート

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《座学や縫製の授業では身が入らない半面、思い入れのある魅力的な授業もあった。日本のファッション業界の発展に大きく貢献した文化服装学院の指導者、小池千枝氏による授業だ》


もちろん遊んでばかりいたわけではなく、学校で学んだことはたくさんあります。

一番思い出に残っているのは、パリでモードの最先端を学んできた気鋭の指導者である小池先生による「立体裁断」の授業を運よく受講できたことです。

なんとパリでは、後に世界のトップデザイナーとなるカール・ラガーフェルドやイヴ・サンローランらとともに机を並べていたのです。世界のトレンドを日本に持ち帰り、教鞭(きょうべん)をとっているのですから、それはそれは刺激的でした。

立体裁断は、トルソー(胴体部分の洋裁用ボディー)や体に合わせて布を切っていく…授業は目からうろこのことばかり。ハサミと布さえあれば服を作ることができる。この技術があれば世界中に行くことができるのではないか、とわくわくしました。


《若手デザイナーにとって登竜門となるデザインコンテスト「装苑(そうえん)賞」を史上最年少で、文化服装学院在学中に受賞する。装苑賞はデザイン画から候補者を選出し、その後実物を制作した上で審査を行う》


受賞はデザイン科2年生、19歳のときです。応募段階では、デザイン画を40~50枚ほど提出しました。すると、3作品が書類を通過。3着の実物の制作に取り掛かる必要がありました。

しかし、育った環境から「縫製はお縫子さんに」と考えていたため、3着も自分一人で仕上げるのは無理だ。そこで、文化服装学院の実習科に在籍する学生の中で上手な人たちに「これを縫ってほしい」と頼みました。

でも最後の1着は、ついに頼む人がいなくなってしまって、自分で作るしかありませんでした。