無免許事故都議「辞めて」 都議会に380件 - 産経ニュース

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無免許事故都議「辞めて」 都議会に380件

木下富美子氏
木下富美子氏

4日投開票の都議選で再選されたばかりの木下富美子都議(54)が、投票日直前に無免許運転で人身事故を起こしたことが波紋を広げている。事故直後、支援者に無免許運転を隠す噓の説明をしていたほか、選挙期間中に無免許運転を繰り返していたとの目撃情報もあり、選挙事務所に故人の「為(ため)書き」を掲示していたことを問題視する見方も出ている。都議会には抗議などが380件寄せられ、辞職を求める声が高まっている。(大森貴弘、鬼丸明士)

「論外ですね。この後の対応についても、よく自分を律されることが重要だ」

7日夜、木下氏の事故について問われた都民ファーストの会特別顧問の小池百合子知事はこう述べた。小池氏は投開票前日の3日、都民ファ公認だった木下氏を激励に訪れていた。

捜査関係者によると、木下氏は2日朝、板橋区内の交差点で車を運転中に事故を起こし、相手の車の50代男性と妻が軽傷を負った。木下氏は免許停止期間中だったため、警視庁は道交法違反容疑などで捜査している。木下氏本人によれば街頭演説に向かう途中だった。

事故が公になったのは当選翌日の5日。木下氏は同日の産経新聞の取材に「免停期間は終わっていると思った」と釈明し、議員辞職については「辞職するレベルだとは思っていない。選んでいただいた人の期待に応えたい」と否定した。

都民ファは事故発覚後、除名処分にしたが、木下氏は一人会派「SDGs東京」を設立。今後の議員活動に意欲を見せている。

交通事故に詳しい田畑貴之弁護士(36)は「免停期間中は免許証が取り上げられている状態のため、期間を勘違いしたという話はにわかに信じがたい」と指摘する。

木下氏をめぐる新たな問題は次々に浮上している。

木下氏の選挙を応援していた板橋区議の南雲由子氏は公式サイトで、2日の事故直後、木下氏本人から警察署に迎えに来てほしいと依頼され、その際「今回の事故で免許停止になった」と無免許運転を隠す虚偽の説明を受けたと明らかにした。南雲氏は「全力で応援した分、心からショックを受けた」と記している。

また、木下氏と争ったほかの立候補者らによると、選挙期間中に木下氏自身が選挙カーを運転している様子がたびたび目撃され、「『運転してくれるスタッフがいないのか』と候補者たちの間で話題になっていた」という。

選挙事務所の壁に貼る「為書き」をめぐる疑惑もある。木下氏の事務所には、板橋区議を12期48年務めた橋本祐幸氏の署名で「祈必勝」と大書された激励ビラが貼り出されていたという。しかし橋本氏は昨年8月に死去しており、同じ選挙区には娘の橋本久美氏が出馬していた。

久美氏は産経新聞の取材に「誰が送ったのかは分からないが、少なくとも亡くなった父のものは飾ってほしくない。こんな人に負けたと思うと大変悔しい」と語った。

都議会事務局には抗議など380件(8日現在)が寄せられている。板橋区の20代の男性会社員は「投票した人をあまりにもバカにしている。すぐに辞職すべきだと思う」と憤った。

常習的な無免許運転の疑いなどについて、産経新聞は電話やメールなどで木下氏本人と事務所に取材を申し入れているが、8日夕方までに回答はない。