【ワシントン=黒瀬悦成】米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)は6日、次期台北事務所長(大使に相当)にサンドラ・オードカーク国務次官補代理が就任すると発表した。同所長に女性が任命されるのは初めて。
オードカーク氏は、今月中旬に任期満了で離任するクリステンセン所長の後任として、夏に着任する予定という。
国務省によると、オードカーク氏はジョージタウン大外交政策大学院を修了後、1991年に入省し、以前にも台北で勤務した経験がある。現在はオーストラリア、ニュージーランドおよび太平洋島嶼(とうしょ)国担当。
バイデン政権は依然として次期駐中国大使を指名しておらず、大使職はブランスタッド前大使がトランプ前政権下の昨年10月に離任して以降、約9カ月間にわたり空席となっている。
バイデン政権としては中国大使よりも先に台北事務所長を任命することで、台湾重視の立場を改めて打ち出す狙いもあるとみられる。
オードカーク氏は、台湾も正式メンバーの一員であるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の担当高官も務めている。台湾の蔡英文総統は7日、ツイッターで同氏の所長就任に祝意を表明した。