盛り土、計画超える高さ50mか 再三指導、熱海土石流

大規模な土石流の起点付近=7月5日、静岡県熱海市伊豆山(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
大規模な土石流の起点付近=7月5日、静岡県熱海市伊豆山(本社ヘリから、沢野貴信撮影)

静岡県熱海市伊豆山の大規模土石流で、県は7日、起点となった土地を2006年に取得した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)が、盛り土に産業廃棄物をまぜるなどの不適切行為を繰り返し、県と市から再三にわたり行政指導を受けていたと明らかにした。盛り土の高さが09年時点の計画で15メートルだったのに、土石流の発生時は約50メートルに増していたとも指摘。県は盛り土がされた経緯を詳しく調べており、行政側のこれまでの対応についても検証する。

静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流の起点付近の様子=3日(同県提供)
静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流の起点付近の様子=3日(同県提供)

県などによると、不動産管理会社は06年に土地を取得後、07年3月に残土処分のため盛り土をすると市に届け出た。ところが10年8月、盛り土の中に産業廃棄物や木くずがまざっていることが分かり、市が撤去するよう指導。その後、工事が終わっているはずの時期に土砂の搬入が確認されたため、県土採取等規制条例に基づき工事の中止を要請した。

流出の土砂、主に盛り土か

土木学会の予備調査チームは7日、大規模土石流が発生した静岡県熱海市伊豆山周辺を現地調査した。チームの田代喬・名古屋大特任教授(河川工学)が終了後、取材に応じ「土砂の主な成分は、盛り土が崩れてできたものではないか」との見解を示した。今後、本格的な調査団を作る方針。

大規模土石流により、多くの家屋が被災した静岡県熱海市伊豆山の現場。矢印は土石流の起点付近=6日午後1時18分
大規模土石流により、多くの家屋が被災した静岡県熱海市伊豆山の現場。矢印は土石流の起点付近=6日午後1時18分

チームは土石流の起きた逢初川の上流や破壊された住宅などを視察。田代氏によると、被災現場に堆積した土砂は粒子が細かく泥状だった。

典型的な土石流では、大きな岩石や樹木が入り交じって住宅を破壊するが、そうした様子はあまりなく、なぎ倒されることが多い樹木も今回は残っていた。

そのため今回の土石流は、自然にできた山が崩れたのではなく、盛り土が崩れて流れ下ったと推測した。ただもともと土砂災害のリスクが高い場所であり、盛り土がなくても土石流が発生した可能性はあるという。

県は、盛り土を含む約10万立方メートルの土砂が崩れ落ちたと推計している。

大規模な土石流の起点付近=5日午後1時55分、静岡県熱海市伊豆山(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
大規模な土石流の起点付近=5日午後1時55分、静岡県熱海市伊豆山(本社ヘリから、沢野貴信撮影)


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