原発政策あいまい エネ計画骨子案 脱炭素へ活用不可欠

処理水タンクが並ぶ東京電力福島第1原発
処理水タンクが並ぶ東京電力福島第1原発

政府が今年改定するエネルギー基本計画の骨子案が6日、明らかになった。原発について「必要な規模を持続的に活用していく」との文言を新たに明記。原発を将来も使い続ける方向性を示すことで原子力推進派に配慮した格好だが、推進派が求める原発の新増設や建て替え(リプレース)は盛り込まない方向で、原発の位置づけはあいまいなままだ。

原発は再生可能エネルギーと並び、稼働時に二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンなエネルギーだ。資源に限りのある日本では経済安全保障の観点からも電力の安定供給の維持は必須で、そのためには、再エネに限らず脱炭素に資する多様なエネルギー源の確保が不可欠だ。

平成23年の東京電力福島第1原発事故を受け、原発の運転期間は原則40年、最大でも60年とする枠がはめられた。国内の原発は建設中の3基を含め36基あるが、運転期間が40年で新増設やリプレースがないとすれば原発の数は政府が温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標年限の2050(令和32)年には3基まで減る。全ての原発の運転期間を60年まで延長しても23基にとどまる計算だ。

政府が本気で脱炭素化を進めるつもりなら原発の活用は欠かせない。人材育成や技術継承の面を考慮すれば、次期エネルギー基本計画に原発の新増設やリプレースを明記するのが筋だが、骨子案からその覚悟は見えない。

原発に関しては、国民の理解が得られないという理由だけで逃げるのではなく、東日本大震災後に厳しくなった原発の安全基準や電力コストの優位性、安全性の高い次世代の小型原発を活用する利点などを丁寧に国民に説明していくことが政府に求められている。(那須慎一)