風を読む

42%は低投票率にあらず⁉ 論説委員長・乾正人

都議選の投票率が、5割を大幅に下回る42・39%と過去2番目の低さに終わったことを嘆いていたら、隣県(本社のある東京・大手町からはるかに遠い)に住む某論説委員から「雨の中、よく4割以上の人が、投票に行ったもんだ」と反論された。

聞き間違いかと、問い直すと、その通りだという。くだんの論説委員の言い分は次の通り。

①五輪開催の是非以外、目立った争点がほとんどなかった。

(五輪を東京に招致するかどうかは、都議選で問われるべき問題だが、中止の最終決定権は、都にない。仮に中止派が都議会の過半数を占めても実効性はない)

②自公が過半数をとるかどうかは、都議選の焦点ではない。

(都知事を両党が支援している場合、逆に敵対している場合は焦点となるが、自民は「是々非々」とぼかしている。自公の議席数は、次期衆院選の先行指標でしかない)

③そもそも都議会は、中二階的存在であり、存在意義が見えない。

(国政を担う国会議員、議員の顔が見える市区町村議会議員に比べ、都議会議員は、なじみが薄く、投票に行く必然性を感じない)

どうも屁(へ)理屈に屈してしまいそうだが、正直な話、私も投票に出かけようとしたら雨が降っていたので(都内に住んでいるのに投票所まで徒歩20分もかかる)、やめてテレビで競馬を見続けようかと扉を閉めかけたぐらいだ。

それでも、と思い直して出かけた。どんなに政党がいいかげんでも、候補者に魅力ある人が少なくても(失礼!)、一票の権利を行使できることのなんとありがたいことか。

香港では、中国への返還以降、曲がりなりにも民主派と呼ばれる人々が議会選挙に立候補し、当選できていたにもかかわらず、いまや立候補さえできなくなった。それどころか、言論活動をしただけで逮捕・拘禁されている。裏返していえば、権限の小さな議会でさえ、強権的な為政者にとっては目障りな存在なのだ。

あなたの一票で世の中は変わりはしないかもしれないが、一票を行使しなければ(できなくなれば)、世の中は変わってしまう。

それにつけても選挙の自由を認めない中国共産党に祝電を送る政党や政治家は、本当にダメだねぇ。首領様に熱烈拍手する下僕を連想してしまった。あくまでも余談だが。

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