朝晴れエッセー

初夏の年賀状・7月4日

陽春の4月から初夏の7月初めまで私はシロツメクサこと、クローバーの白い花の群れを目で追い求める。

そして、野原に咲くクローバーの群れを見つけると、クローバーの好むぽかぽかとした日差しの下に座り込み、「幸運」との花言葉を持つ四つ葉を黙々と探し続ける。

四つ葉のクローバーの希少性は高く、野生で見つかる確率は1万分の1ともいわれるらしい。そんなことには構っていられない。来年の年賀状全部に添える分は必要なのだ。

あの人は今年結婚したから2つそろえて送りたい。あの夫婦には子供が生まれたからなるべく小さい赤ちゃんのような四つ葉のクローバー、あそこには初孫の分、と年賀状の相手を想像しながら摘んでゆく。

そんなときには、コロナで会えていない人たちの楽しい思い出や笑顔がよみがえってきて、ほほ笑んでしまう。

50歳を過ぎたおばさんが何時間も野原の中でうつむいているので、知らない方に「大丈夫ですか」と声をかけられたこともあります。ご心配おかけしてごめんなさい。少し恥ずかしかったけれど、そんな心温まるありがたい触れ合いもありました。

また、摘んでしまうクローバーには仲間と離してしまいごめんなさいと謝りながら、どうか、みんなのところまで旅をして幸運を届けてくださいと祈る。

気の早い楽しい年末準備が、私にはとうに始まっている。

半年後には社会も平穏を取り戻して、それぞれの幸福が四つ葉のクローバーとともにみんなに訪れますように。

高橋雅子 54 千葉県君津市