気になる!

新書『埴輪は語る』

裳(も)(スカート)の裾をまくって「チラ見せ」する女子像は巫女(みこ)とみられる。タカ狩りに臨む王や、水鳥の群れも。各地で出土した埴輪の写真が掲載され、丸みを帯びた造形がかわいい。

本書によれば、埴輪は古墳の主である王の治世をビジュアル化した「古墳の飾り」。儀礼や狩りといった場面を表現したり財物を示したりした。見える場所に展示され、王の政治の正当性をアピールしたという。

著者は国指定史跡、保渡田(ほどた)古墳群(群馬県)の調査を担当した考古学者。埴輪群が表現した情景や据えられた場所が分かりやすく説明され、古墳めぐりのガイドブックとしても役立つ。(若狭徹著、ちくま新書・990円)

会員限定記事会員サービス詳細