避難所を医師が巡回 手探りのコロナ感染対策 熱海土石流

4日午後から避難所になったホテルには、マスク着用を促すボードが掲示され、玄関前には支援物資が積み上げられていた=熱海市銀座町(田中万紀撮影)
4日午後から避難所になったホテルには、マスク着用を促すボードが掲示され、玄関前には支援物資が積み上げられていた=熱海市銀座町(田中万紀撮影)

山間地の住宅街が大規模な土石流に襲われた静岡県熱海市にとって、大勢の避難者を受け入れる災害は、新型コロナウイルス禍では初めてで、感染防止対策など手探りの避難所運営を迫られた。「密」回避のため、当初10カ所以上に分散していた避難者を観光ホテルに集約。家族単位で個室を設け、巡回医師らが入念に健康観察にあたった。

熱海市中心部の熱海ニューフジヤホテルには4日午後、避難者を乗せたバスが次々と到着。受付で検温と手指の消毒、チェックシートに健康状態を記入してから、計約300人がチェックインを済ませた。

同ホテル関係者によると、発熱などが判明した場合は館内に入れない対応を取ったため、一般の避難者と感染疑いの人との動線を分けてはいない。一方、家族ごとに1部屋を割り振り、医師や保健師が巡回して健康観察を行うなど感染防止に苦慮したという。

土砂災害発生に前後し、市は小中学校や公民館などに10カ所以上の避難所を開設。市役所隣の中央公民館には3日午後から伊豆山地区の被災者らが駆け込み、夕方までに約40人と見込んでいた上限に達した。

こうした事態に、小規模な避難所が分散している状況は「必ずしも環境がよくない」と斉藤栄市長が判断。コロナの影響で4日から休館予定だった同ホテルに受け入れを依頼した。

学校の体育館から移動してきた男性は「仕切りはあっても大部屋だったので、ホテルに移ることができて少しは眠れるかもしれない」と話していた。

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