書評

『三人の女たちの抗えない欲望』リサ・タッデオ著、池田真紀子訳

米国に暮らす3人の女性の欲望と苦悩を丹念につづり、ベストセラーになったノンフィクションの邦訳版だ。

高校時代に恋愛関係にあった既婚の男性教師に裏切られたマギーは鬱状態に苦しみ、その後裁判で教師を訴える。夫との別居を決意した主婦のリナは、かつての初恋相手に再会し禁断の恋に燃える。レストランを経営するスローンは夫の望みで、第三者を交えたいびつな性生活を始める…。

著者は3人の女性を8年もの歳月をかけて徹底取材。人間の大きな欠落感と欲望、その先に待つ社会的な軋轢(あつれき)を見事に描き出している。(早川書房・2640円)