【第92期ヒューリック杯棋聖戦】「藤井聡太と同時代に生きる幸せ」 中原誠永世棋聖が寄稿(1/2ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

第92期ヒューリック杯棋聖戦

「藤井聡太と同時代に生きる幸せ」 中原誠永世棋聖が寄稿

【第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局】 渡辺明三冠との対局に勝利し、感想戦に臨む藤井聡太棋聖=3日午後7時29分、静岡県沼津市の沼津御用邸(沢野貴信撮影)
【第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局】 渡辺明三冠との対局に勝利し、感想戦に臨む藤井聡太棋聖=3日午後7時29分、静岡県沼津市の沼津御用邸(沢野貴信撮影)

将棋の藤井聡太棋聖(18)=王位=に渡辺明三冠(37)=名人・棋王・王将=が挑戦した戦「第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第3局が3日、静岡県沼津市の沼津御用邸で指され、後手の藤井棋聖が勝ち、シリーズ3勝0敗で最年少でのタイトル初防衛と九段昇段を決めた。快進撃を続ける藤井棋聖について、獲得タイトルが棋聖16期など計64期(歴代3位)を誇る中原誠永世棋聖(73)が、その強さや魅力などについて産経新聞に寄稿した。

第92期ヒューリック杯棋聖戦は藤井聡太棋聖に渡辺明三冠がリターンマッチを挑むという注目の一戦となった。私も期待をもってネット中継を見守った。最近テレビを替えたので、大きな画面で楽に見られるようになったのはうれしい。

それにしても藤井聡太の活躍は常に意表をつく。デビューからの29連勝。期待されながらなかなかタイトル戦に登場できなかったが、昨年、初挑戦したと思ったら棋聖・王位を矢継ぎ早に取るという快挙だ。

B級1組へ昇級するまでの順位戦は39勝1敗という圧倒的な成績である。

藤井さんの戦いぶりを見ていると、私にも思い出すことがある。初めて獲得した棋聖に、初防衛の相手は大山康晴名人だった。当時は五冠の時代で、大山先生は四冠王である。

私は21歳、六段で風前の灯(ともしび)ともいえるところだが、あまり気にしていなかった。とにかく体調を整えて全力を尽くす-。それしか考えていなかった。

対局室の検分が終わったあと、関係者が私の部屋に来て「(第1局の)明日はどちらに座るつもりですか」と聞き、私は「上座に座ります」と答えた。タイトル保持者が上座に座るのが当たり前だが、大山名人全盛時代だけに周囲が気を使っていたといえる。