福島県では例年、猫の殺処分数が全国的に高いレベルで推移しており、環境省の統計で令和元年度は2千匹強で大分県に次ぎ全国2番目だった。保健所などで引き取る猫の飼い主は多くが高齢者で、飼えなくなる理由はさまざま。県動物愛護センター(三春町)では高齢者福祉の現場と協力し、殺処分を減らす方法を模索している。
同省によると、全国で殺処分になった猫は平成21年度~令和元年度の10年で約84%減少。平成25年施行の改正動物愛護法で、条件によっては保健所のペット引き取り拒否が可能になったことなどが理由とされる。それでも、元年度の殺処分は2万7108匹に達した。一方、福島県は平成21年度の3227匹に対し、令和元年度は2029匹で減少率は約37%にとどまった。都道府県別では平成29年度2位、30年度は1位だった。
引き取られた猫は健康状態などをみて可能な限り希望者に譲渡される。殺処分されるのは、ほとんどが生後間もない子猫。譲渡できる大きさに保健所などで育てるのは困難だからだ。