食べ物の甘みやうまみを増すことから、脂肪が豊富な料理を好む人は多い。だが東京医科歯科大などの研究で、ステーキや脂ギトギトのラーメンといった高脂肪の食事を続けていると、肥満だけではなく、毛のもとになる細胞がダメージを受け、薄毛や脱毛につながる可能性が浮上してきた。進行すると回復しないという動物実験の結果もあり、毛髪の状態が気になる人は一刻も早く、食生活を改善するべきかもしれない。
身近にあふれる脂の誘惑
日本の食生活では、脂肪を重視した食材や料理の人気が非常に高い。脂が乗ったウナギはスタミナがつくと珍重されるし、霜降り牛肉やマグロのトロが高級とされるのは、豊富に含まれる脂肪の味わいが素晴らしいからだ。若い世代を中心に根強く支持されている「ガッツリ系ラーメン」の濃厚な味も、豚の背脂の存在感が果たす役割が大きい。