「幕末最強ドクター」壬生藩の医士展 栃木

最初の看護師について記された戊辰戦争の土佐藩医の従軍日記が展示されている=栃木県壬生町の町立歴史民俗資料館
最初の看護師について記された戊辰戦争の土佐藩医の従軍日記が展示されている=栃木県壬生町の町立歴史民俗資料館

江戸時代後期に蘭学を積極的に取り入れた壬生藩の医療の歴史をたどるテーマ展「壬生の医士―幕末最強のドクター」が、栃木県の壬生町立歴史民俗資料館(同町本丸)で開かれている。11月に同町で開催予定の「全国藩校サミット」を前に、壬生藩をテーマにした展示の第3弾。将軍家を守るための軍事力と併せ、医学も最先端だった壬生の藩医たちを紹介している。

江戸後期の藩主・鳥居忠挙(ただひろ)は、医学や兵学の振興と人材育成に尽力。関東諸藩で初めての人体解剖を行った外科の名医・斎藤玄昌(げんしょう)、日本初の西洋医学教育を学んだ「医学生」榊原玄瑞(げんずい)、漢方の大家・河内全節(こうちぜんせつ)など優秀な医者を輩出した。

斎藤玄昌は長崎に天然痘を予防する牛痘ワクチンが伝わった半年後、県内で初めて壬生藩内で種痘を実施した。種痘の重要性と領民への徹底を指示した忠挙の口上書や、人体解剖を記録した「解体正図」などを展示。二宮尊徳の主治医としての活躍も紹介している。

日本で初めて体系的医学を指導したオランダ軍医ポンペと玄瑞など弟子たちの写真や全節の肖像も展示。「宮中当直日誌」などの史料も展示し、明治天皇の御用医師だった全節の記録も見ることができる。

また戊辰戦争で前線基地となった壬生で、負傷兵の治療にあたった地元女性が国内初の看護師とされ、その記録が記された土佐藩医の従軍日記も見どころだ。

同展は8月22日まで。観覧無料。(松沢真美)