主張

西日本豪雨3年 「命を守る行動」の徹底を

停滞する梅雨前線が活発化し、列島各地が大雨になっている。

土砂崩れや河川氾濫への警戒を強めなければならない。水害から命を守るためには避難、安全確保の行動を早めに実行することが大事だ。

この数年は毎年、7月上旬に集中豪雨による災害が起きている。

260人を超える死者、行方不明者を出し、平成最悪の豪雨災害となった西日本豪雨(平成30年)から3年になる。29年の九州北部豪雨、昨年の九州南部豪雨も7月上旬に起きた。

いずれも、積乱雲が連続発生し同じ地域で猛烈な雨が長く降り続く「線状降水帯」が、被害拡大の要因となった。西日本豪雨では、線状降水帯が同時多発的に各地を襲ったため、広島、岡山、愛媛を中心に土砂崩れや河川氾濫による被害が広域に及んだ。

気象庁は6月17日から、線状降水帯の発生を知らせ、強く警戒を促す「顕著な大雨に関する気象情報」の運用を開始し、これまでに沖縄県と伊豆諸島北部に情報を出している。

茨城県常総市で鬼怒川が氾濫した関東・東北豪雨(27年9月)も線状降水帯による災害だった。梅雨に限らず、どの地域でも強く警戒しなければならない。

大切なのは、新たな防災情報や過去の災害の記憶を「命を守る行動」につなぐことである。

たとえば、線状降水帯が発生した地域では、急激な状況の悪化を想定して、より強い安全確保行動が求められる。一方で、線状降水帯が発生しなくても災害リスクがあることを、強く認識しておかなければならない。

西日本豪雨では、猛烈な雨に襲われながらも大きな被害はなかった地域もある。

こうした地域で「ここは豪雨には強い」とか「西日本豪雨ほどの雨ではないから大丈夫だ」などと思い込むのは危険だ。

自然災害は、発生状況が少し違うだけでも、被害を及ぼす地域や規模が大きく変わる。近年は豪雨や猛暑、熱波などによる気象災害は激甚化する傾向にある。

これからの気象災害は過去の経験を超えるリスクをはらんでいる、と考えるべきだ。

過去の災害の記憶を継承し、その恐ろしさを次世代に伝えることは、激甚化する災害から命を守り抜くための土台となる。

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