茂木敏充外相は3日(日本時間同)、リトアニアの首都ビリニュスでランズベルギス外相と会談し、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向けた協力や、2国間関係の強化で一致した。日本の外相として初となったバルト3国歴訪で最後の訪問国。東欧で積極的に経済協力を進める中国を念頭に、連携拡大を図った。
リトアニアは、中国と中東欧17カ国の協力枠組みを5月に離脱し、議会もウイグル族弾圧を非難する決議を可決した経緯がある。茂木氏は戦時中に外交官杉原千畝が現地で多数のユダヤ難民を救った縁も通じ、関係強化を呼び掛けた。
バルト3国は帝政ロシアや旧ソ連に支配された歴史から専制主義への警戒感が強い。茂木氏は「自由で開かれたインド太平洋」構想について説明し、民主主義など共通の価値に基づく国際秩序の維持へ協力を働き掛けた。