三菱電機、7つの手法で不正 経緯語らず「調査中」

三菱電機の検査不正問題は、経営トップの杉山武史社長が辞任表明する事態に発展した。ただ、会見では安全性に問題がないとの説明が強調され、肝心の不正がなぜ、どういう経緯で始まり、35年もの長期間発覚しなかったかについての説明は歯切れが悪く、「(外部弁護士による)調査委員会で調べる」との発言に終始した。

不正は鉄道車両の空調機器とブレーキなどに使われる空気圧縮機で発覚。多くの国民が日常的に利用し、最高レベルの安全意識が求められる分野にもかかわらず、計7つの手法で不正が恒常的に行われていた。

例えば、空調機器では振動を与えて亀裂や破損が生じないかを調べるが、規定よりも負荷を下げて検査し、規定でやった場合の値を計算で推計していた。

また、防水検査では完成品に水をかけるべきところ、製造段階でカバーの水密検査をしていることから省略。形状や寸法を調べる検査も、部品の寸法を足し合わせて計算するなどしていた。空気圧縮機の不正では以前製造されたモデルから変更がなかった部分の検査を省略。前モデルの結果を流用した。

今回の不正はいずれも顧客の鉄道会社が求める検査での不正で「法令などに抵触はしていない」と説明。出荷済みの製品についても「安全性に問題はない」と繰り返した。

ただ、鉄道会社側も必要だから検査を求めていたはずで、自己弁護のために、まるでこれらが不要なものだったかのように発言する姿勢からは、品質や安全に対する真摯(しんし)な姿勢は伺えない。

この問題が発覚したのは6月14日で、既に半月以上がたっている。十分な調査期間があったにもかかわらず、なぜ不正をしたのかなど肝心の部分は「調査中」といい、内部統制ができていないという点だけが鮮明となった。(蕎麦谷里志)