【ビブリオエッセー】きちんと磨いて笑顔の毎日 「はははのはなし」加古里子(福音館書店) - 産経ニュース

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きちんと磨いて笑顔の毎日 「はははのはなし」加古里子(福音館書店)

「じいちゃんの歯、ぜんぶガバッてとれたで!」。目をまるくして報告する長男に、そんなはずはないよ、と思わず聞き返した。

私の父は数年前にインプラント治療をしたはずだ。入れ歯とは違う、骨にネジでしっかり埋め込む治療法だ。自分でハズすなんてことはないはず。当時、私に「自分の歯みたいにしっかり嚙める」と自慢していたのだ。

長男によると、じいちゃんは「ちゃんと歯みがきしないと、こうなるで~」と言って、歯をはずしてニッと笑ったというのだ。さっそく電話で確かめた。

「あぁ、言った言った。確かに言った。インプラント? してるよ。下がインプラントで上は入れ歯」

ええっ、知らなかった。ということは、父の歯はほとんど残っていないということか。私は少なからずショックを受けた。

子供に歯の大切さを教えるのに、じいちゃんによる入れ歯の着脱披露は一定の効果があったようだ。長男は以前に比べて少しは熱心に歯みがきをするようになった。

一方、次男はこの絵本『はははのはなし』を読んで一生懸命に歯をみがくようになった。

「あなたは『は』をみがいていますか?」

虫歯になった人の痛がる絵がリアルだ。虫歯になる仕組みの解説も、食べかすで増えたバイ菌やお菓子の砂糖が歯を溶かす酸を発生させて穴をあけるのだとか、わかりやすい。

数多のCMが歯周病の恐ろしさを教えてくれるが実際に歯の健康を維持するのは難しい。歯医者さんのお世話にならない人はほとんどいないだろう。この絵本は幼い子供たちが歯と歯みがきの大切さを知る格好の絵本だ。丈夫な歯で「ははは」と笑って暮らせますように。

大阪市住之江区 佐竹加織(45)

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