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公立大の恩恵受けた被告 とるべき行動は

取材で米中西部ミネソタ州の私立大マカレスター・カレッジを訪ね、その美しさに目を見張った。レンガづくりの校舎や図書館が芝生の中庭を囲み、植え込みのアジサイが見頃だった。

モンデール元駐日大使が学び、アナン元国連事務総長が卒業した。アナン氏いわく「大学での経験が人生の基礎になった」。学費は高く、モンデール氏は公立のミネソタ大に転学した。同氏は陸軍勤務を経て政府の授業料支援で法科大学院に進み、カーター政権で副大統領を務めた。

北西へ約30キロ離れた場所には、公立2年制大学の北ヘネピン大がある。こちらの学費は安く、公立4年制大学への転入支援も充実している。英語教師が多く、移民や難民の自立支援の役割も担っている。

この大学で学んだ一人に、ミネソタ州で昨年5月、白人警官(当時)が黒人男性を暴行死させた事件に関わった警官(同)がいる。アジア系のトゥ・タオ被告(35)。事件が起きた当時、ただならぬ事態に気づいて現場に集まった群衆をタオ被告は制止し、結果的に白人警官の暴行を助けた。

タオ被告は北ヘネピン大で警官養成プログラムを受講し、公立大学による就業支援の恩恵を受けた。公共に奉仕するのであれば、群衆でなく白人警官を制止すべきだったと思われてならない。(平田雄介)