中東情勢の鍵を握る2つの国で6月、相次いで政権交代が起きた。イラン大統領選で、反米・保守強硬派のライシ司法府代表が勝利。同国と鋭く対立してきたイスラエルでは、右派リクードのネタニヤフ政権が退陣し、極右から左派までを含む寄り合い所帯の連立政権が誕生した。中長期的に中東への関与の低減を目指すバイデン米政権の「脱中東」戦略は、2つの政権交代で促進されるのか、それとも停滞するのか-。
核合意修復なら功績に
大統領選での勝利を受けた6月21日、トレードマークの黒いターバンを頭に巻いたライシ師が記者会見に臨んだ。黒いターバンは、イスラム教の預言者ムハンマドの子孫であることを示す。次期最高指導者の有力候補とも目される同師の毛並みの良さを表している。