国際法人課税で大枠合意 OECD会合、23年実施

経済協力開発機構(OECD)の本部=パリ(AP)
経済協力開発機構(OECD)の本部=パリ(AP)

経済協力開発機構(OECD)は1日、国際的な法人税改革に関する交渉会合を開き、巨大IT企業などの税逃れを防ぐデジタル課税と、企業誘致を目的にした法人税引き下げ競争に歯止めをかける各国共通の最低税率で大枠合意したと発表した。2023年の実施を目指す。デジタル課税は売上高200億ユーロ(約2兆6千億円)、売上高に占める利益の割合が10%超の多国籍企業100社程度が対象となり、日本の一部大企業にも影響が及びそうだ。

会合はオンラインで実施され、139カ国・地域が参加した。日米欧の先進7カ国(G7)や中国、インドなどを含む130カ国・地域が大枠合意に賛同したものの、低い法人税率で企業を誘致してきたアイルランドやハンガリーといった9カ国は同意を見送った。

今月9、10日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも合意を承認する見通しで、10月までの最終合意を目指す。実現には多国間条約の締結や、各国の国内法改正も必要になる。今回は結論を先送りにした課題も多く、決着までには曲折も予想される。

デジタル課税は多国籍企業の利益率が10%を超える部分について、その20~30%を事業を行う各国での売上高に応じて配分する。受け取れるのは原則、国内での売上高が100万ユーロある国とし、配分割合は今後詰める。国内に本社や工場などの事業拠点がなくても、サービスの利用者がいれば課税できるようになる。

最低法人税率はG7で合意していた「15%以上」という表現を据え置き、10月の最終合意までに具体的な税率を詰める。年間総収入が7億5千万ユーロ以上の多国籍企業に適用する。企業誘致のため税率を低く抑えている中国などの新興国に配慮し、企業の税負担を軽くする措置も盛り込んだ。

麻生太郎財務相は2日の記者会見で、大枠合意について「歴史的合意だ。大変歓迎している」と表明。法人税の引き下げ競争が1980年代から長年続いたことを振り返り、「10年前から(国際課税強化の必要性を)言い始めた日本としては喜ばしい」と強調した。