中国、米欧の人権批判に「反中分子の噓」と猛反発

中国外務省の汪文斌報道官(共同)
中国外務省の汪文斌報道官(共同)

【北京=三塚聖平】中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は2日の記者会見で、新疆ウイグル自治区の強制労働問題でフランス検察がファーストリテイリングが展開するユニクロなどの捜査を始めたことに対し、「外部勢力による新疆問題を利用した中国内政への干渉に断固反対する」と述べた。強制労働問題を「反中分子がでっちあげた噓」と主張し猛反発した。

1日に行われた中国共産党創建100年祝賀大会で習近平総書記(国家主席)は「外来勢力のいじめや抑圧を絶対に許さない」と外圧に立ち向かう姿勢を強調しており、米欧への対抗姿勢が強まる可能性がある。

汪氏は、米国務省が人身売買に関する報告書でウイグル族への強制労働を非難したことにも、「米国の噓や噂に基づく中国へのいわれのない非難に断固反対する」と批判。「人権問題を口実に中国を攻撃、誹謗(ひぼう)中傷している」と牽制(けんせい)した。

党創建100年の記念日から一夜明けた2日、国営中央テレビは前日の習氏の演説を繰り返し放送。2日付の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は「誰も中国を阻めない」と題した社説を掲載した。

また、祝賀大会の会場となった天安門広場では同日、平日にもかかわらず多くの観光客らが集まり、広場やその周辺に残されたままになっている記念展示物の前で記念写真を撮影していた。党と習氏の求心力向上に向け、当面は祝賀ムードが続けられるとみられる。

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