【オリパラ奮闘記】人間万事塞翁が馬

日本代表選手団へのエールを届けるSNSキャンペーン「REDエール」をスタート
日本代表選手団へのエールを届けるSNSキャンペーン「REDエール」をスタート

先月、ようやく東京五輪の観客数などの方針が決まりました。開会式まであと3週間、アシックスもSNSを中心に選手を応援する企画などの活動を徐々にスタートさせています。

私は東京都が敗れた2016年大会の招致から、東京五輪・パラリンピック実現に向けた活動に携わってきましたので、もう13年ほど、この時がくるのを待ち望んでいたことになります。思い返すと、大会エンブレムの撤回と変更に始まり、国立競技場の建設費問題からのデザイン変更、そして新型コロナウイルス禍の影響による1年延期。今年に入ってからは女性蔑視とも受け取れる発言に端を発した組織委員会会長の交代劇と、本当にいろいろなことがありました。

まだ課題は残っていますが、引き続き大会を支える関係者の方々と、安心・安全な大会の成功に向けて尽力したいと思います。

ただ、少し見方(考え方)を変えると、このような課題の露呈は決してネガティブなことだけではないと思います。五輪・パラリンピックはそのブランド力の強さゆえに、世の中の多くの方が大きな関心を持ちます。さまざまな課題に直面するたびに、「自分はどう思うのか?」と考える機会を得ました。これまで見えなかったことが見えるようになり、気づかなかったことにも気づくようになりました。スポーツを通じた持続可能なよりよい未来社会の実現という意味においては、ポジティブなことだと捉えています。

私は、東京大会の協賛が決まった際に社員に対して、〝自分たちが持っているスポーツの概念を壊し再び創造しよう〟という意味を込めて「imagine: sport スポーツってなんだっけ?」というスローガンを掲げて、さまざまなワークショプや施策を行ってきました。それらの企画は、社員たちにとってスポーツの価値を改めて考える機会になったのではないかと思います。

いよいよ開幕する東京大会を通じて多くの方が、それぞれの立場でスポーツの価値や可能性を考え、また対話することができれば、それはきっと大会ビジョンの一つでもある「未来への継承」につながっていくと思っています。(君原嘉朗=アシックス2020東京オリンピック・パラリンピック室室長)

きみはら・よしろう 昭和46年6月10日生まれ、福岡県出身。平成6年にアシックスに入社し、27年から現職。6月30日に大会前最後の社内ワークショップを女子マラソンの高橋尚子さんを招いてオンラインで開催しました。Qちゃんのいろいろな話を聞けて社員のみんなも元気をもらえたのではないかと思います。