三菱電機杉山社長「組織的な不正認めざるを得ない」

機器の検査不正問題で、記者会見で辞意を表明した三菱電機の杉山武史社長=2日午後、東京都千代田区(飯田英男撮影)
機器の検査不正問題で、記者会見で辞意を表明した三菱電機の杉山武史社長=2日午後、東京都千代田区(飯田英男撮影)

三菱電機による鉄道車両向け機器の検査不正問題で、杉山武史社長は2日、東京都内の本社で記者会見を開き、今月中をめどに引責辞任する考えを示した。杉山氏は「新たな体制で信頼回復に取り組む」と説明した。後任人事は今後決める。組織的な不正の実態も認めた。

同社はこの日、外部弁護士による調査委員会が9月に調査結果や再発防止策を発表する計画も明らかにした。外の目を入れた公表結果を踏まえ、品質風土の改革に取り組む方針も示した。ほかの部門で同様の不正が行われていないかも並行して調査する。

同社は長崎製作所(長崎県時津町)で6月14日、鉄道車両用の空調機器で検査不正の実態を把握。同28日には、ブレーキやドアの開閉に使う空気圧縮機の検査についても不正を確認した。

不正は少なくとも35年以上前から行われ、国内の鉄道事業者を中心に約80社に対し、空調機器は約8万4600台、空気圧縮機は約1500台を納入していた。一部の不正には、架空のデータを基に検査結果を自動作成する「専用プログラム」を使っていた。安全性には問題はないとしている。

これまでに聞き取り調査をした従業員160人のうち、約2割が不正を認識していた。杉山氏は「組織的な不正行為だったと認めざるを得ない」と述べた。

同社がこの問題を初めて公表したのは6月30日で、既に社内調査が進んでいたにもかかわらず、前日の定時株主総会では公表を見合わせた。

同社では長年、検査不正や労務問題などの不祥事が立て続けに発生。杉山社長の下で平成30~令和元年度に「全社点検」を行い、再発防止を誓ったが、正されることはなかった。2日の会見の冒頭、杉山氏は「自ら発見・是正できなかったことは誠に申し訳ない」と陳謝した。

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