日本企業にも負担増 OECD課税合意

経済協力開発機構(OECD)の本部=17年6月、パリ(AP)
経済協力開発機構(OECD)の本部=17年6月、パリ(AP)

経済協力開発機構(OECD)が大枠合意した巨大IT企業などの税逃れを防ぐデジタル課税は、売上高が大きく利益率の高い多国籍企業100社程度が対象だ。半数以上は米国企業とされるが、日本企業も数社対象になる可能性がある。15%以上の最低法人税率はさらに対象が広く、東南アジアに進出した製造業などの負担が増す懸念がある。

新しい国際課税の対象企業はまだ明らかにされておらず、情報通信大手の関係者は「影響を計りかねている」と困惑気味に話す。

デジタル課税は国内に工場など拠点がなくても通信販売といったサービス利用者がいれば課税できる仕組み。「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業の税逃れ防止が本来の目的で、世界売上高が200億ユーロ(約2兆6千億円)超で売上高に占める税引き前利益の割合が10%超の大企業が対象だ。

日本で基準に当てはまるのはトヨタ自動車やソニーグループ、NTTなど国内を代表する大企業のみ。ただ、日本企業は進出した国で実際に拠点を置き納税していることが多く、「新たに課税されるケースは限定的」(経済官庁幹部)だ。

一方、法人最低税率は年間総収入が7億5千万ユーロ以上とより小規模な企業にも適用される。法人税が低い「経済特区」で企業を誘致してきた中国に加え、日本企業が多数進出する東南アジアなどでも現地政府の優遇措置で実際の税負担率が15%を下回る企業があるとされ、今後の事業戦略に影響を与える可能性がある。