中国共産党の習近平総書記(国家主席)は1日の党創建100年祝賀大会での演説で、過去1世紀の成果を列挙して共産党一党支配の正当性を強調し、言葉の端々に米国に次ぐ大国となった自信をにじませた。また、歴代指導者と比べた自らの指導力の高さを印象付けようとした。
習氏は、100年間の党と人民の「奮闘」は、自らが掲げる「中華民族の偉大な復興を実現するため」だと総括。列強に支配された「半植民地」から世界2位の経済大国への成長を「歴史的突破」と誇った。その上で「共産党がなければ、新中国はない」という有名な歌の一節に続けて「(党がなければ)中華民族の偉大な復興もない。歴史と人民が中国共産党を選んだ」と一党独裁を正当化した。
大国意識は欧米や台湾との関係でにじみ出た。「台湾独立」派には、党創建90年で胡錦濤総書記(当時)が用いた「反対し押さえる」でなく「断固、粉砕する」と強硬姿勢を見せた。米国の介入には、従来の「人民の強い決心」だけでなく「(軍の)強大な能力」を「見くびるな」と述べて拍手を受けた。
また、中国包囲網の形成を図る米国を念頭に、「中国人民はいかなる外来勢力の抑圧も絶対に許さない。そんなことを妄想する者は誰であれ、14億超の人民が血肉で築いた鋼鉄の長城の前で頭を割られ血を流す」と述べ、演説が中断するほどの喝采を浴びた。
習氏は自らが総書記となった2012年の第18回党大会以降、中国は「新時代に入った」と歴代指導者との差を強調。毛沢東、鄧小平、江沢民、胡錦濤の歴代指導者には「敬意」を表しつつ、名前を並列しただけで各人の功績には触れなかった。その上で、「第2の100年」である49年の建国100年に向け、自らが提唱した、中国の体制や文化などに対する「4つの自信」理念を徹底するよう呼びかけた。(田中靖人)