中国 憂い潜む党創建100年 成長鈍化に包囲網 - 産経ニュース

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中国 憂い潜む党創建100年 成長鈍化に包囲網

【北京=三塚聖平】1日に創建100年を迎えて功績を内外に誇示した中国共産党だが、足元に目を移せば内憂外患の状況にある。国内では政権維持の鍵だった経済成長が鈍化。国外では強硬姿勢が災いし、米国との対立が激化して対中包囲網の形成が進む。

「経済総量で世界2位になる歴史的な突破を実現した」。共産党の習近平総書記(国家主席)が1日、天安門広場の祝賀大会で誇示したのが経済面での成果だった。

中国は共産党による一党支配を掲げつつ、最高指導者だった鄧小平氏が打ち出した改革開放政策によって急速な経済成長を遂げた。2010年には国内総生産(GDP)で日本を抜いて米国に次ぐ世界2位となり、経済成長は共産党支配を正当化する主軸となっている。

近年はしかし、人件費高騰で「世界の工場」の魅力が低下し、急成長は鳴りを潜めた。強権的に進めた「一人っ子政策」の弊害で少子高齢化が加速し、国力低下に直結する人口減少も迫っている。

さらに深刻なのは米欧による対中圧力だ。新型コロナウイルスをめぐる対応、香港や新疆ウイグル自治区の人権問題などをめぐり欧米諸国の対中感情は悪化。バイデン米政権は同盟・パートナー諸国と「対中包囲網」の構築を進める。

習氏は自身への権力集中を進め、トップダウンで難局を乗り切る構えだ。すでに国家主席の任期制限を撤廃しており、来年秋の党大会では総書記として異例の3期目に入ることを視野に入れる。習氏は今、建国の指導者、毛沢東と並ぶ存在と演出されている。

目立つのは鄧小平路線からの転換だ。毛の長期独裁が文化大革命などの大混乱を引き起こしたという反省から整えられた集団指導体制は変質し、低姿勢に徹する外交路線「韜光養晦(とうこうようかい)」も過去のものとなった。

党を支えた経済成長が輝きを失う中、習氏は名実ともに歴史的指導者となることを狙い、演説で「党の歴史的任務」と強調した台湾統一に向けた動きを積極化させるとみられる。国内では異論を押さえ込む強権統治をすすめ、米欧との対立もさらに激化しそうだ。