路線価 甲府駅前7年ぶり下落 観光地はさらに悪化 山梨

山梨県内で最も路線価の高かった甲府駅前通り=甲府市丸の内(平尾孝撮影)
山梨県内で最も路線価の高かった甲府駅前通り=甲府市丸の内(平尾孝撮影)

国税庁が1日発表した令和3年分の路線価(1月1日時点)で、山梨県内の最高は甲府駅前通り(甲府市丸の内)の1平方メートル当たり26万5千円だった。前年から額にして1万円、率にして3・6%のマイナスで下落は7年ぶりだ。そのほか大月駅南口ロータリー(大月市大月)が10年ぶり、県道石和温泉停車場線(笛吹市石和町駅前)が4年ぶりに下落するなど、新型コロナウイルス感染拡大で人の往来が減った駅前商業地の路線価が押し下げられた。

甲府駅前通りが県内最高となるのは24年連続。路線価ははがき1枚分の面積で3922円、新聞紙見開き分で約11万8千円。ピークだった平成4年の約8・4%だ。

山梨県不動産鑑定士協会会長の久保嶋仁不動産鑑定士は、「甲府駅前なども含め、県内の商業地や観光地はコロナ禍で収益力が落ちたことで、路線価も下落している」と分析。特に「(訪日外国人観光客の増加で)路線価が上昇してきた富士河口湖町、忍野村、山中湖村などが下落に転じた。下落率は甲府などよりも大きく、コロナの影響が色濃く出ている」と話す。

一方、甲府のベッドタウンである昭和町の「イオンモール甲府昭和」周辺の新興住宅地などの路線価は上昇基調を維持している。

今後について久保嶋氏は「極めて不透明」という。コロナが収束して、商業地や観光地が活発化し、経済の持ち直しが明確になれば、路線価上昇の可能性もあるが、「その時期がはっきりしない」ためだ。一方で、コロナによってテレワークが普及し、首都圏と別の場所に住居を持つ2拠点居住が広がれば、「富士北麓地域などの別荘地での上昇が期待できる」と、明るい兆しがあると指摘する。

路線価は相続税や贈与税の税額を算定する基準となり、公示地価の80%程度とされる。(平尾孝)