【北京=三塚聖平】中国共産党は1日、創建100年の記念日を迎え、北京中心部の天安門広場で祝賀大会を開いた。習近平党総書記(国家主席)が演説し、「経済総量で一躍、世界2位になる歴史的な突破を達成した」と党の成果を強調した。習氏は「社会主義のみが中国を救うことができ、中国の特色ある社会主義のみが中国を発展できる」と述べ、共産党が統治する政治制度の優位性を主張した。
習氏は演説で、貧困から脱却して経済的に一定のゆとりがある「小康社会」を全面的に達成したと宣言。「これは中国共産党の偉大な栄誉だ」と自賛した。
台湾に関しては「台湾問題を解決し、祖国の完全な統一を実現することは、中国共産党の歴史的な責務だ」と述べ、「いかなる台湾独立のたくらみも粉砕する」と牽制(けんせい)した。統制を強めている香港については「香港社会の大局の安定を維持し、長期的な繁栄を守る」との考えを示した。
また、米欧などの批判を念頭に「中国の人民は、いかなる外来勢力のいじめや圧迫を絶対に許さない」と対抗していく姿勢を示した。
習氏は「中国共産党がなければ新中国はなく、中華民族の偉大な復興もない」とし、「歴史と人民が中国共産党を選んだ」と一党支配の正当性を国内外にアピール。習氏は来年秋に予定される第20回党大会で、慣例を破り、総書記3期目入りを狙うとされている。
祝賀大会は、北京中心部の天安門広場で同日午前8時(日本時間同9時)から開かれた。会場周辺では交通規制が敷かれ、警官の姿が平常時より目立つなど厳戒態勢がとられた。
創建100年に際して軍事パレードは実施しないが、人民解放軍の最新鋭ステルス戦闘機「殲(せん)20」が飛行したほか、ヘリコプターも「100」の形などで編隊飛行した。習氏ら最高指導部メンバーのほか、胡錦濤(こ・きんとう)前国家主席が出席した。
香港紙によると、祝賀大会の参加者は新型コロナウイルス対策のため、中国産ワクチンの接種を完了させることが求められた。未接種者や海外製ワクチンを打っている人は参加ができないという。
中国国営新華社通信によると、中国共産党員の総数は6月5日時点で9514万8千人。