三菱電機不正、鉄道インフラ輸出に影響も

三菱電機本社が入るビル=30日午後、東京都千代田区(鴨川一也撮影)
三菱電機本社が入るビル=30日午後、東京都千代田区(鴨川一也撮影)

三菱電機の鉄道車両向け空調機器検査の不正は、JRや私鉄各社が不正の対象製品を導入していることが30日に相次ぎ判明し、影響が広がった。不正は多くの採用実績を持つ海外での日本製品に対する信頼も落としかねない。調査結果次第では、今後の鉄道インフラ輸出にもに大きな影を落とすことになりそうだ。

対象となる三菱電機製の空調設備を新幹線と在来線で全体の約7割に上る計1万台近くを導入しているJR東日本は、これまで車両の定期検査で空調設備に異常は見つかっておらず、故障も発生していないため、現時点で特段の対応は取る予定はないという。

ただ、国土交通省の担当者は「報道で今回の件を初めて知った。三菱電機側から事実関係の説明を受けないと、何をすべきか検討もできない」と明かした。

鉄道会社によっては今月25日に三菱電機側から第一報を受けたが、国交省には問題が明るみに出るまで報告はなかったという。「(三菱電機側から)安全上問題はないと言われただけで、それがなぜ分かるのかは確認できていない」と話す。

国交省は、空調設備だけでなく、同社が手がける鉄道車両のブレーキなどの安全性についても確認する予定で、速やかな説明を求めていく姿勢だ。

一方、工業製品の安全性について日本工業規格(JIS)を所管する経済産業省は 25日付で三菱電機から報告を受け、原因の調査などを指示した。担当者は「現時点で事実関係や調査結果などが出ておらず、特に対応などを話すタイミングにない」とするにとどめ、事実関係の把握を急ぐ考えだ。

これまで日本は、新幹線など日本の鉄道車両やシステムなどを海外に売り込むため、官民を挙げた「オールジャパン」体制でのインフラ輸出に力を入れてきた。それは日本製が高品質であるという裏付けがあったことも大きい。今回、単発ではなく数十年にわたり鉄道各社を欺いて納入していたということになると、日本製への信用に大きな傷を付けることになる。

国交省担当者は「レピュテーション(評判)がどうなってくるのか気になる。場合によっては(今後の交通インフラ輸出に)影響することもあるだろう」と話している。(福田涼太郎、那須慎一)

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