【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席(共産党総書記)は29日、北京の人民大会堂で行った党の最高栄誉とする「七一勲章」の授与式で演説し、全党員に対し「永遠に党を信じ、党を愛し、党のために各自の持ち場で粘り強く必死に努力しなければならない」と述べ、忠誠を求めた。7月1日に党創建100年を迎えるにあたり、習氏は求心力強化に向け党の結束を強調している。
七一勲章は党創建100年に合わせて初めて授与式が行われた。今回の受章者は兵士や芸術・科学分野などで活躍した計29人。南シナ海で権益を守ることに関わった海上民兵組織で活動する男性や、新疆(しんきょう)ウイグル自治区で党活動に貢献したウイグル族の男性などが選ばれた。習氏は演説で、「命を含む自らの全てを党と人民の事業のためにささげ、党の理想と信念のために頑強に奮闘する」ことが重要だと述べた。
国営新華社通信は29日、創建100年の記念日となる7月1日午前に北京中心部の天安門広場で祝賀大会を実施し、習氏が重要演説を行うと伝えた。今年最大の政治イベントであり、党の求心力を強めるためのムード作りが行われる。
北京では既に祝賀イベントが始まっており、28日夜には2008年の北京夏季五輪でメイン会場だった国家体育場(通称・鳥の巣)で、「偉大な道のり」と題された党の歴史を振り返る演劇を上演。習氏ら党の最高指導部メンバーや、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官らが観劇した。