三菱電機の鉄道車両向け空調機器の不正検査をめぐり、不正は少なくとも1985年ごろから35年以上にわたった疑いがあることが30日、分かった。同社は全容解明に向けて社内調査を本格化させ、納入した鉄道会社への説明も進めている。問題が長期化していた経緯も焦点になる。
製品は長崎製作所(長崎県時津町)で製造された。出荷に際して顧客に指定された内容の検査をする必要があるが、適切に実施されず架空のデータを用いるなどしていた。検査では冷暖房の制御性能や消費電力などを確かめる。既に対象製品の出荷は停止した。
今月中旬に社内調査で判明し、経済産業省に報告した。三菱電機は「安全性に問題はない」と説明している。29日夜に「現在調査を進めている。速やかに対応を進め、内容を公表する」とのコメントを出した。