陸上自衛隊が29日に米陸軍と行った日米共同訓練は、宇宙・サイバー・電磁波(略称ウサデン)という新たな領域での能力と、火砲などの打撃力を融合させる「領域横断作戦」を強化するのが特徴だ。中国とロシアの脅威を踏まえ、日米が最先端の新たな戦い方に一歩を踏み出した訓練と位置づけられる。
自衛隊幹部は「領域横断作戦での日米の共同対処能力の進化を目指す」と指摘する。米陸軍が投入した部隊がそれを象徴している。
米軍は自衛隊が掲げる領域横断作戦と同じように、陸海空という従来の領域とウサデンにまたがる複数の領域で同時に戦力を発揮する作戦に力を注いでいる。米陸軍は作戦を担う部隊編成を明確化した。ウサデン部隊と火力打撃部隊で構成し、訓練でハイマースを実射した第17砲兵旅団はその火力打撃部隊にあたる。