自民党各派、パーティーそろり再開 衆院選軍資金

有隣会のパーティーであいさつする二階俊博幹事長(中央)=29日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)
有隣会のパーティーであいさつする二階俊博幹事長(中央)=29日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)

自民党の各派閥やグループ、衆院議員が政治資金パーティーを再開した。8月までに全派閥が終える予定だ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日程変更や「密」回避のための空間確保を強いられているが、秋に迫る衆院選に向け、軍資金の確保を急ぐ台所事情も透ける。

自民党の谷垣禎一前幹事長を中心とする谷垣グループ(有隣会)は29日夜、東京都内のホテルでセミナーを開いた。

かりゆし姿で登壇した谷垣氏は「今年は必ず衆院選がある。必死に思いをぶつけて勝利を果たしてもらいたい」とハッパをかけた。会場には二階俊博幹事長も駆けつけた。

セミナーは感染対策として飲食なしの着席形式で開かれ、座席は間隔を1メートル以上あけて設置された。コロナ禍の前は、パーティーに1千人以上参加することも多かったが、この日の参加者は約650人。入場時の検温、手指の消毒も入念に求めた。代表世話人の中谷元・元防衛相は「国の規定に従い、対策を徹底して行っている」と説明する。

党内7派閥のうち、麻生派(志公会)は、4月13日に都内でパーティーを開いた。このとき、東京は現在と同様に新型コロナ特別措置法に基づく「蔓延防止等重点措置」の期間中だった。

今後は、他の6派すべてが8月までにパーティーを開く予定だ。6派とも東京への緊急事態宣言の発令を受けて当初の日程を延期しており、次期衆院選の日程をにらめば早く開催したいのが本音といえる。

東京の重点措置の期間は7月11日までだが、現在はリバウンド(感染再拡大)の傾向もみられる。ある派閥幹部は「再び緊急事態宣言となったら再延期が必要となるかもしれない。早く済ませた麻生派がうらやましい」と漏らす。

山口泰明選対委員長が東京の緊急事態宣言解除後の今月21日にパーティーを開いたのを皮切りに、党所属議員も続々と開催している。多くはパーティーの収入を次期衆院選の活動費に充てる狙いがあり、若手議員は「金がなくては選挙を戦えない」と話す。

ただ、パーティーの出席者にクラスター(感染者集団)が発生するような事態になれば、厳しい批判を浴びるのは間違いない。

二階氏は29日の記者会見で「それぞれ派閥の判断で常識的に対応すると思う。結果的に成功するように頑張っていただきたい」と語り、党として開催に口を挟まない意向を示した。(市岡豊大、沢田大典)