【ソウル=桜井紀雄】韓国国会は29日の本会議で、日本政府が4月に東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を決定したことを非難する決議案を採択した。決議は、日本側の決定を「一方的」だと強く糾弾するとともに、決定を直ちに撤回するよう要求した。
決議は「わが国民の健康に危害を及ぼしかねない日本政府のいかなる措置も絶対に容認しない」と強調。韓国政府に対しても実効性のある措置を講じるなど、積極的な外交上の対応に乗り出すよう促した。
さらに、日本政府に対し、安全性に関する科学的な検証や、国際原子力機関(IAEA)による共同調査団に韓国政府を参加させるよう求めた。
慰安婦やいわゆる徴用工問題で悪化した日韓関係だが、処理水問題をめぐって韓国側がさらに態度を硬化させている。